振り向けばあんたのいる、そんな旅が終わりを告げた。あんたは僕より先を行く。
思いのあふれてぐしゃぐしゃになった顔を蹴って送り出す。僕を待つ?ふざけるな。
当然のように滞在延長の準備をしていた姿を見て、僕は失望した。
彼は泣きそうな顔で、笑った。
2人旅の終焉を告げたときよりも幾分か元気になった姿で、彼は旅立った。
残された僕はただただ、あの阿呆の見に面白いことが起きないことを祈るだけだ。
自分の居ないところで、彼が何を見るのか。次に会うときに伝えてくれるだろう。
その光景を、情景を、心情を。
見たものをすべて。感じたものを総て。
そうしたら、僕も返すべきか。今の心情を? 目の前に広がる外郭と隔絶された壁を?
ああ、ああ。こぼれる雫の意味など。あの時感じた気持ち、を、
伝えたら、どんな顔を見せてくれるのだろうか
(あの失望があんたにではなく、自分のために旅を諦めようとする姿に喜びを感じてしまった自分に対してのことだと)